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  • ドイツ語名

    Der stumme Tod

  • 日本語名

    死者の声なき声

  • 本を読んだ人の感想

    ドイツ・ミステリーの題材として避けて...


    ドイツ・ミステリーの題材として避けては通れないナチス問題。
    この作品も例に漏れず、ナチス台頭前夜、1930年のベルリンが舞台になっています。
    サイレントからトーキーへ、映画の大転換が起こり始めていた時代。

    新進気鋭の女優が撮影中に無惨な死を遂げる場面から物語がスタート。
    事故死として片付けようとする上司の反対を押し切り、単独捜査に乗り出す地元ベルリン警視庁の型破り警部ラート。
    オーソドックスなストーリー展開に驚きはないものの、光と影が交錯する映画界の煌びやかさと硬直化した警察組織の陰鬱さを精巧に対比させることで、当時の雰囲気を鮮やかに活写していると思います。

    それ故、ページを繰る手ももどかしく、夢中になって読了していました。
    元新聞編集者らしく、時代背景のディテール描写にも瞠目するものがありました。
    ドイツ語で書かれた警察小説で、当時のベルリンの雰囲気を味わってみては如何でしょうか。

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