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  • ドイツ語名

    Der Judas des Leonard

  • 日本語名

    レオナルドのユダ

  • 本を読んだ人の感想

    オーストリアの山田風太郎とも称される...


    オーストリアの山田風太郎とも称される著者レオ・ペルッツ(Leo Perutz)。
    約一世紀前(1915年)、「第三の魔弾(Die Dritte Kugel」という歴史幻想小説でデビューし、「最後の審判の巨匠(Der Meister des Jungsten Tages)」などの探偵小説なども手掛けた作家の遺作です。
    舞台は、フランス王が虎視眈々と狙うミラノ公国です。
    食堂の壁に描かれるはずの「最期の晩餐」が一向に捗らないことに業を煮やした修道院長が、1498年3月のある日にレオナルドの釈明を求めに、風雨を突いて遥々ミラノ城までやってくる場面から物語がスタートします。
    とにかく、芸術家たちのサロンでの会話と酔いどれ詩人の詩で盛り上がる居酒屋の情景を対比させたり、下宿屋や居酒屋で供される料理やワインに関する蘊蓄を書き記したり、この小説家の見事な技巧には舌を巻いてしまいました。
    ペルッツが紡いだ流麗なドイツ語の文章で、当時の雰囲気を心ゆくまで味わってみて下さい。

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